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「う、うぇ……」
「何だお前、吐きそうな顔して」
晴はとっくに寝かしつけて夜も0時に差し掛かる頃だ。ルルは机に突っ伏し、顔だけ横を向けていた。
「食べた物が、こりゃまたゲテモノで。胃の中で暴れてるんだよ」
「そんなマズいのなんてあるか?」
「異物が混ざってる、それも結構な割合で」
後半は喋るのも辛そうになっていた。
「ふーん。そんなのもあるのか」
「うぷ、もうダ……おえっ、」
ルルは口から何かを吐き出した。
「汚っ……て、鈴?」
それは小さな金属製の鈴に見えた。少しテーブルを転がってカラカラと綺麗な音が鳴る。
「これ、持っておいてくれ」
ルルはたった今口から吐き出した鈴を永峰に差し出してくる。
「汚い」
嫌がる永峰を無視して、ルルは無理やりズボンのポケットに鈴を突っ込んだ。
「また変なもの押し付けたな」
「ボクは随分過保護な気がしてきたぞ……。
いつか絶対に使うときが来るからさ、それ、肌見離さず持っててよ」
ルルは喋りはするものの、いつも通りの元気まではなさそうだ。
「お前さ、本当に何しに来たんだよ」
「ボクのせいで君がねじ曲がってしまったのかと思って、随分心を痛めていてね」
「俺は昔からこうだった」
ルルは目を逸らして続ける。
「違うよ。だから、昔の君と向き合ってほしいのさ」
「自惚れるなよ」
「……自惚れ、ね。確かに」
「俺はもう寝る」
永峰は廊下を歩きながらポケットに手を突っ込む。が、押し付けられた鈴はどこへ行ったのやら、中をいくら探っても見つかることは無かった。
別のことで頭がいっぱいだった永峰は、特に鈴の事など思い出さずにベッドに横になるのだった。

ーーー
☆MEMO
永峰はルルには当たりがキツい。


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